韓国旅行の際、地下鉄と並行して移動手段の候補となるのが路線バスです。
しかし「韓国のバスの乗り方や降りる時がわからない」「料金の払い方が不安」といった理由で、利用をためらってしまう方も少なくありません。
特に、T-moneyやWOWPASSといった交通カードの使い方、現金やクレジットカードでの支払い可否、路線図を確認するためのおすすめアプリの有無、さらには降車ボタンない場合の対処法やアナウンスの聞き方など、気になる点は多いでしょう。
この記事では、ソウル市内の路線バスは便利な移動手段である理由、バスに乗るとき気をつけることは何か、具体的な乗り方、そして降りる時の流れまで、あなたの疑問を一つひとつ解消していきます。

路線バスの乗り方をマスターすれば、選択肢が増え、快適に移動することが可能になります!
- 乗車してから降車するまでの一連の手順と流れ
- 便利なアプリを使った路線図の確認とルート検索の方法
- T-moneyカードや現金など、バス料金の具体的な支払い方法
- 降車ボタンや車内アナウンスに関する注意点と対処法
韓国でのバスの乗り方と降りる時までの基本
- 移動が楽に!路線バスは便利な移動手段
- 路線図の確認に便利なおすすめアプリ
- 初心者でも分かる!バスの基本的な乗り方
- T-tmoneyやWOWPASSでの料金の払い方
- 現金やクレジットカードは使える?
移動が楽に!路線バスは便利な移動手段


らくたびKOREA(イメージ)
韓国、特にソウル市内の移動において、路線バスは地下鉄と並んで非常に便利な移動手段です。地下鉄が網羅していない細かなエリアへもアクセスできるため、目的地まで歩く距離を大幅に短縮できるケースが少なくありません。
その理由は、ソウルのバス路線が網の目のように細かく張り巡らされている点にあります。主要な観光地はもちろん、ローカルなレストランやカフェなど、特定の場所へピンポイントで向かいたい場合にバスは大きな強みを発揮します。
また、ソウルの主要な道路にはバス専用レーンが設けられている区間が多く、朝夕のラッシュアワーでも渋滞の影響を受けにくく、定刻通りに運行されやすいというメリットがあります。
地下鉄の駅が目的地から離れている場合、バスを利用した方が結果的に早く到着することも珍しくないのです。
もちろん、デメリットも存在します。交通状況によっては遅延が発生する可能性はゼロではありませんし、初めて利用する際はどの番号のバスに乗ればよいか戸惑うこともあるでしょう。
しかし、後述するアプリを上手に活用すれば、これらの問題は十分に解決可能です。



地下鉄とは異なり、車窓から移り変わるソウルの街並みを眺めながら移動できるのも、バスならではの魅力と言えます。
路線図の確認に便利なおすすめアプリ


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韓国でバスを乗りこなす上で、最も重要と言っても過言ではないのが、地図・ナビゲーションアプリの活用です。
韓国ではGoogleマップの一部の機能が制限されており、公共交通機関の乗り換え案内やリアルタイム情報が不正確な場合が多いため、現地の人が利用するアプリを準備しておくことが鍵となります。
NAVER MAP(ネイバーマップ)
韓国で最も広く利用されている地図アプリが「NAVER MAP」です。日本語にも対応しており、出発地と目的地を入力するだけで、バス、地下鉄、徒歩などを組み合わせた最適なルートを瞬時に検索してくれます。
このアプリの優れた点は、単に路線図を示すだけでなく、乗りたいバスの番号、乗車するバス停、リアルタイムでのバスの現在位置、そしてバス停への到着予測時間まで詳細に表示してくれることです。
乗車後もGPSで自分の位置とバスのルートを地図上で確認できるため、降りるバス停が近づいていることを視覚的に把握でき、乗り過ごす不安を大幅に軽減できます。
Kakao Maps(カカオマップ)
「Kakao Maps」もNAVER MAPと並んで人気の高いアプリです。基本的な機能はNAVER MAPとほぼ同じで、こちらも日本語に対応しています。UI(使い勝手)の好みでどちらか一方、あるいは両方をスマートフォンにインストールしておくと安心です。
どちらのアプリも、バス停に掲示されている複雑な路線図を一つひとつ解読する必要なく、直感的にバスを利用することを可能にしてくれます。韓国のバス旅行を計画するなら、これらのアプリの事前ダウンロードは必須です。
初心者でも分かる!バスの基本的な乗り方


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韓国のバス、特にソウル市内を走るバスは、一見すると複雑に見えるかもしれませんが、実は色によって役割が分かれています。この色の違いを理解しておくと、自分が乗りたいバスを直感的に見分けられるようになり、非常に便利です。
まず、どの色のバスに乗るべきかを把握し、その後に具体的な乗車ステップへと進みましょう。
青(幹線バス):ソウル市内を広範囲に移動
青色のバスは「幹線(カンソン)バス」と呼ばれ、ソウルの郊外と都心部、あるいは副都心といった主要なエリア間を結ぶ、いわばバス路線の主役です。
運行距離が長く、ソウルの端から端まで移動することも可能です。旅行者が最も利用する機会の多い、基本的なバスだと覚えておくと良いでしょう。
緑(支線・マウルバス):地下鉄駅へのアクセスに便利
緑色のバスには2種類あります。一つは「支線(チソン)バス」で、幹線バスや地下鉄の駅と住宅街などを結ぶ役割を担っています。
もう一つは「マウルバス」と呼ばれる、より小さな地域内を循環する小型バスです。どちらも地域住民の足として、また旅行者が地下鉄駅から少し離れた目的地へ向かう際の「ラストワンマイル」として活躍します。
幹線バスに比べて料金が少し安いのが特徴です。
黄緑(循環バス):人気観光スポットを巡回
黄緑色のバスは「循環(スナン)バス」です。その名の通り、ソウル市内の中心部にある主要なビジネス街やショッピングエリア、観光スポット(明洞、ソウル駅、Nソウルタワーなど)をぐるりと循環するルートを走ります。
停留所が少なく、スピーディーに人気エリア間を移動したい観光客にとって非常に便利なバスです。
赤(広域バス):ソウル市外への長距離移動
赤色のバスは「広域(クァンヨク)バス」と呼ばれ、ソウル市内と京畿道や仁川といった近郊の都市を結ぶ急行バスです。座席定員制で、長距離を高速で移動するため、料金は他のバスより高く設定されています。ソウル市内の短距離移動で誤って乗車しないよう、注意が必要です。
ソウル市内バスの基本料金(2025年時点)



以下は、交通カードを利用した場合の一般(大人)料金の目安です。現金での支払いや、青少年・子ども料金は異なる場合があります。
バスの種類(色) | 基本料金(ウォン) | 主な特徴 |
幹線バス(青) | 1,500 | 市内の主要エリアを結ぶ長距離路線 |
支線バス(緑) | 1,500 | 幹線バスや地下鉄駅と地域を結ぶ |
マウルバス(緑) | 1,200 | 特定の狭い地域内を運行する小型バス |
緑色循環バス(黄緑) | 1,400 | 都心部の観光地などを循環 |
広域バス(赤) | 3,000 | ソウルと近郊都市を結ぶ急行バス |
さて、乗りたいバスの種類と色が分かったら、次はいよいよ乗車です。基本的な流れさえ覚えてしまえば、決して複雑ではありません。
まず、アプリで指定された番号のバスが停車するバス停へ向かいます。
ソウルのバス停は、一般道では歩道脇に、バス専用レーンがある大通りでは道路の中央分離帯のような場所に設置されています。多くのバス停には電光掲示板があり、どの路線のバスが何分後に到着するかがリアルタイムで表示されるため、非常に便利です。
乗りたいバスが近づいてきたら、バスの前面や側面に大きく表示されている路線番号をしっかりと確認します。
ここで注意したいのが、乗車の意思表示です。韓国のバスは、バス停に人が立っているだけでは通過してしまうことがあります。そのため、お目当てのバスが見えたら少し車道側に歩み寄るなどして、乗る意思を運転手に示すのが一般的です。もしバスが通り過ぎそうになったら、軽く手を挙げると停まってくれることが多いです。
バスが停車したら、基本的には前方のドアから乗車します。乗客が多い場合は後方のドアからも乗せる運転手もいますが、初心者のうちは前から乗るのが無難です。
T-tmoneyやWOWPASSでの料金の払い方


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韓国のバス料金の支払い方法は、交通カードが主流です。現金での支払いも可能ですが、さまざまな面でカード利用が推奨されます。ここでは、観光客が主に利用する「T-money」と「WOWPASS」での支払い方を解説します。
T-moneyカードでの支払い
T-moneyカードは、日本のSuicaやPASMOのようなチャージ式の交通カードで、韓国旅行の必須アイテムの一つです。コンビニや地下鉄の駅などで購入・チャージができます。
バスに乗車したら、運転席の横にあるカードリーダーにT-moneyカードを「ピッ」と音がするまでタッチします。
そして、最も大切なのが、バスを降りる時も後方のドア付近にあるカードリーダーに必ずタッチすることです。
この降車時のタッチを忘れると、乗り換え割引が適用されず、次に乗る交通機関で新たに基本料金が引かれてしまうため注意が必要です。
WOWPASSでの支払い
WOWPASSは、プリペイドカード、交通カード(T-money機能)、外貨両替の3つの機能が一体となった、外国人観光客向けの便利なカードです。WOWPASSを使ってバスに乗る場合も、支払い方法はT-moneyカードと全く同じです。
乗車時と降車時に、それぞれカードリーダーにタッチしてください。チャージした交通系ICカード機能残高から料金が引かれます。
これらのカードを利用すれば、小銭を用意する手間が省けるだけでなく、地下鉄との乗り換え割引(30分以内、最大4回まで)が適用されるため、現金で支払うよりも交通費を節約できます。



現金でも可能ですが、T-moneyやWOWPASSでの支払いがお得ですので用意しておきましょう!
現金やクレジットカードは使える?


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交通カードを持っていない場合、現金やクレジットカードでの支払いが可能か気になる点です。
現金での支払い
多くのバスでは、現金での支払いも受け付けています。乗車時に、運転席の横に設置されている運賃箱に料金を投入します。ただし、いくつか注意が必要です。
まず、お釣りが出ない、あるいは非常に高額な紙幣(1万ウォン札など)は使えないことがほとんどです。そのため、乗車前にバスの基本料金を確認し、1,000ウォン札や硬貨でぴったり支払えるように準備しておく必要があります。
さらに重要な点として、近年ソウル市では「現金乗車不可バス」が増加しています。これは、現金利用率の低下に伴い、運賃箱を設置しないキャッシュレス専用のバスです。
2025年現在、多くの路線で導入が進んでいるため、旅行者が現金支払いのみを前提にしていると、乗りたいバスに乗れない可能性があります。
クレジットカードでの支払い
一部のクレジットカード(主に後払い式の交通カード機能が付帯したもの)や、タッチ決済機能(NFC)付きの海外発行クレジットカードが、T-moneyカードのように直接リーダーにかざして使用できる場合があります。
しかし、全ての海外発行カードが対応しているわけではなく、カードブランドや種類によって使えるかどうかが異なります。
これらの理由から、最も確実で便利な支払い方法は、T-moneyカードまたはWOWPASSを準備しておくことです。現金やクレジットカードは、あくまで補助的な手段と考えておくのが賢明です。
韓国のバスの乗り方と降りる時のコツ
- バスに乗るとき気をつけることは?
- スムーズにバスを降りる時のコツ
- 降車がボタンない?ブザーの押し方
- 乗り過ごし防止!アナウンスの聞き方
- まとめ:韓国バスの乗り方と降りる時のポイント
バスに乗るとき気をつけることは?


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韓国のバスを快適かつ安全に利用するためには、日本のバスとは少し異なるいくつかの習慣やルールを知っておくと役立ちます。
まず、最も多くの人が驚くのが運転のスタイルです。日本のバスに比べて、発進やブレーキ、カーブが急であると感じることが多いでしょう。
これは迅速な運行を目指しているためですが、慣れないうちは「荒い」と感じるかもしれません。乗車中は、座っている場合でも近くの手すりや吊り革をしっかりと掴むことを強く推奨します。
次に、車内への持ち込みに関するルールです。2018年から、コーヒーやジュースなど、蓋が完全に閉まらないテイクアウト用のカップに入った飲み物や、包装されていない食べ物の車内への持ち込みが禁止されています。
これは車内の清潔を保ち、他の乗客への配慮から定められたルールです。該当するものを持っている場合は、乗車前に飲み終えるか、しっかりと密閉できる容器に移し替える必要があります。
一方で、乗客にとって嬉しいサービスもあります。ソウル市内の多くのバスでは、無料の公衆Wi-Fiが提供されています。
「SEOUL_Secure」などのネットワーク名を選択し、簡単な認証(ID/パスワード共にseoul
など入力)を行うことで、移動中にインターネットを利用できます。ルートの再確認や次の目的地の情報を調べる際に非常に便利です。
スムーズにバスを降りる時のコツ


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目的地が近づいてきたら、降車の準備を始めます。日本のバスと同じように、車内に設置されている降車ブザーを押して、運転手に降りる意思を知らせるのが基本的な流れです。
重要なのは、ブザーを押すタイミングです。車内アナウンスやアプリのGPSで、自分の降りるバス停の一つ前のバス停を通過した直後あたりに押すのが一般的です。
ブザーを押すと、運転席の上部にある表示ランプが点灯し、ブザー自体も光ります。
ブザーを押したら、バスが完全に停車するのを待ってから席を立つのが日本のマナーですが、韓国では少し異なります。特に混雑している場合は、バス停に到着する少し前から出口に向かって移動を始める乗客が多いです。
これは、短い停車時間でスムーズに乗り降りを完了させるための暗黙のルールのようなものです。安全には十分注意が必要ですが、周囲の状況を見ながら、早めに後方の降車ドア付近へ移動しておくと、慌てずに降りることができます。
そして、バスが停車したら後方のドアから降車します。



前述の通り、交通カードで乗車した場合は、降りる際に必ずドア付近のリーダーにカードをタッチすることを忘れないでください。
降車がボタンない?ブザーの押し方
バスから降りる際に不可欠な降車ブザーですが、「ボタンが見当たらない」「押し方が分からない」と戸惑うこともあるかもしれません。
降車ブザー(하차벨、ハチャベル)は、バスの窓枠の上や、手すりのポール、壁など、車内の至る所に設置されています。
通常は赤色で、円形や四角形の形状をしています。日本のバスに比べて設置数が少ないと感じるかもしれませんが、どの席に座っても比較的手の届く範囲にあるはずです。座席から見つからない場合は、少し立ち上がって周りを見渡せば見つかります。
押し方は、ボタンの中央部分を一度カチッと押すだけです。一度誰かが押してランプが点灯すれば、重ねて押す必要はありません。
万が一、自分の席からボタンが遠い、あるいは混雑していて押しに行けない、故障しているといった稀なケースに遭遇した場合は、大きな声で「내릴게요!(ネリルケヨ!)」、つまり「降ります!」と運転手に伝えれば大丈夫です。



恥ずかしがらずに声を出すことが大切です。
乗り過ごし防止!アナウンスの聞き方


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韓国語が分からない旅行者にとって、最大の不安は乗り過ごしでしょう。これを防ぐには、車内アナウンスのパターンを理解しておくことが非常に役立ちます。
ソウルのバスでは通常、2つのバス停が案内されます。
- 「이번 정류장은, ○○입니다.(イボン チョンリュジャンウン、○○イムニダ)」
- これは「今回の停留所は、○○です」という意味で、次に停車するバス停を指します。このアナウンスで自分の降りたいバス停名が呼ばれたら、降車ブザーを押す準備をしましょう。
- 「다음은, △△입니다.(タウムン、△△イムニダ)」
- これは「次は、△△です」という意味で、次に停車するバス停の、さらにその次のバス停を案内しています。
つまり、이번
(イボン)のアナウンスが「今降りるべき場所」、다음
(タウム)のアナウンスが「その次」と覚えておけば、混乱しにくくなります。
主要な観光地や乗り換え駅では、韓国語に続いて英語や日本語、中国語のアナウンスが流れることもあります。しかし、全てのバス停で多言語対応しているわけではないため、やはり前述の地図アプリで現在地を常に確認しながら乗車するのが、最も確実な乗り過ごし防止策と言えるでしょう。
まとめ:韓国バスの乗り方と降りる時のポイント
この記事のポイントをまとめました。
- ソウルのバスは地下鉄が通らない場所もカバーする便利な移動手段
- 乗車前には「NAVER MAP」などの地図アプリを準備する
- アプリでバス番号、乗り場、到着予定時間を確認できる
- 乗るバスが来たら乗車の意思を運転手に示す
- 乗車は前から、降車は後ろからが基本
- 支払いはT-moneyカードやWOWPASSが便利で割引もある
- 乗車時と降車時の両方でカードをリーダーにタッチする
- 現金不可のバスが増えているため注意が必要
- 現金払いは小銭を準備しておくのが望ましい
- 車内への蓋が開いた飲み物や食べ物の持ち込みは禁止
- 運転が急なことがあるため手すりや吊り革をしっかり掴む
- 降車時は事前に降車ブザーを押す
- ブザーは車内のポールや壁に設置されている
- 「이번 정류장은(イボン チョンリュジャンウン)」のアナウンスが次に停まるバス停
- 乗り過ごし防止にはアプリのGPS機能の併用が最も確実