こんにちは。らくたびKOREA、運営者の「shin」です。
韓国旅行の計画を立てている皆さんの中には、ソウルの地下鉄でクレジットカードが使えるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
日本のように改札で直接カードをタッチして乗車できれば便利ですが、現地の交通事情は少し異なります。
以前は現金でのチャージが必須でしたが、最近では新しい券売機の導入や便利なアプリの登場により、クレジットカードを活用した移動手段の選択肢が増えてきました。
shinこの記事ではソウルの地下鉄におけるクレジットカードの利用状況やチャージの方法について詳しく解説します。
- ソウル地下鉄の改札でクレジットカードのタッチ決済が使えるかどうかの現状
- 2025年から導入が進むクレジットカード対応の新型券売機の使い方
- 気候同行カードやWOWPASSなど旅行者に便利なカードの活用法
- 今後の地下鉄やバスにおけるクレジットカード決済の導入予定
ソウルの地下鉄でクレジットカードは使える?
しかし、状況は大きく変わりつつあります。ここでは、現状の決済システムと、クレジットカードを使って快適に移動するための具体的な方法について解説していきます。
タッチ決済でそのまま改札を通れるか解説


らくたびKOREA(イメージ)
ロンドンやニューヨーク、シンガポールなどを旅行したことがある方は、手持ちのVisaやMastercard(タッチ決済対応)を改札にかざすだけで電車に乗れる「オープンループ」システムの便利さを知っているかもしれません。
しかし、残念ながら現在のソウルの地下鉄では、海外発行のクレジットカードを改札に直接タッチして乗車することはできません。
なぜ韓国ではクレジットカードで乗れないのか?
「IT先進国の韓国なのになぜ?」と疑問に思うかもしれません。
実は、韓国の交通システムは長らく「T-money」などの専用IC交通カードを使用する独自の方式(クローズドループ)で進化してきました。
このシステムは処理速度が非常に速く、ラッシュ時の混雑をスムーズに処理することに特化しています。
一方で、海外のクレジットカードを認証する仕組みとは規格が異なるため、現在普及している改札機では、海外のカードを物理的に読み取ることができないのです。
よくある誤解:「改札にカードのマークがあるのに?」


らくたびKOREA(イメージ)
ソウルの地下鉄の改札機を見ると、確かにクレジットカードやスマホをタッチする場所があります。
また、「PayOn」というマークが表示されていることもあります。
これを見て「あ、自分のカードも使えるんだ!」とタッチしてしまう旅行者が非常に多いのですが、これは韓国国内で発行されたクレジットカード(後払い交通機能付き)専用のリーダーです。
日本で例えるなら、SuicaやPASMOのエリアで、海外のクレジットカードを直接タッチしても反応しないのと同じ状況です。
Samsung Payなどを使ってスマホで改札を通っている現地の方を見かけるかと思いますが、あれも韓国国内のカード情報を登録しているからこそできる技なのです。
注意点:無理にタッチしないでください
海外発行のクレジットカード(Visa, Mastercard, JCB, Amexなど)を改札にかざしても、エラー音が鳴るか、全く反応しません。
後ろに並んでいる人の迷惑になってしまうこともあるので、旅行者は「気候同行カード」などの交通系ICカードを用意する必要があります。
現状では「改札直タッチ」はできませんが、次で紹介するように「クレジットカードを使ってチャージする」環境は劇的に改善されています。



悲観せずに、新しい方法をチェックしていきましょう。
新型券売機を使ったチャージ方法の手順
「えっ、じゃあ現金を用意しないといけないの?」と心配になった方、朗報です!これまでは現金(韓国ウォン)でしかチャージができませんでしたが、ソウル交通公社が新しい「新型券売機(キオスク)」の導入を急速に進めています。
これこそが、2024年後半から始まったソウル交通革命の第一歩です。
この新型機を使えば、手持ちのVisaやMastercardなどのクレジットカードを使って、気候同行カードへのチャージが可能になります。(一部の新型機)



手持ちのウォンが少ない時は本当に助かりますよね。
新型券売機の見分け方と設置場所
従来の券売機は少し古めかしいデザインで「現金のみ」と書かれていることが多いですが、新型キオスクは大型のタッチパネル画面を備えており、画面上に「Credit Card」や各カードブランドのロゴが表示されています。
2025年現在、明洞駅、弘大入口駅、ソウル駅、金浦空港駅など、観光客の利用頻度が高い主要駅(1号線〜8号線)には設置されています。駅の改札付近を見渡して、ピカピカの新しい機械を探してみてください。
具体的な操作手順
初めての方でも迷わないよう、操作手順を詳しく解説します。
新型券売機の使い方ステップ
- 言語選択:
画面の右上一番最初にある言語設定で「日本語」をタッチします。
これで全ての案内が日本語になります。 - メニュー選択:
画面中央の「交通カード充填(チャージ)」を選択します。 - カードセット:
手持ちの気候同行カードを、機械の右下にある「カード置き場(トレイ)」に置きます。読み取りが終わるまで動かさないでください。 - 金額選択:
チャージしたい金額を選びます(例:10,000ウォンなど)。 - 支払い方法:
決済画面で「クレジットカード」を選択します。 - 決済:
ICチップ付きのクレジットカードをカード挿入口に差し込みます。暗証番号の入力は通常不要ですが、求められた場合は入力してください。 - 完了:
「チャージが完了しました」と出るまで、気候同行カードを動かさないように注意しましょう。
非常に直感的で簡単です。コンビニATMでキャッシングをして現金を用意する必要がなくなり、手数料の節約にもつながります。



気候同行カードについては下記の記事も参考にしてみてください。


気候同行カードなら乗り放題でお得


らくたびKOREA(イメージ)
最近、ソウル市が環境対策と観光促進のために力を入れているのが「気候同行カード(Climate Card)」です。
これは、指定された期間内であればソウル市内の地下鉄とバスが乗り放題になるという、旅行者にとっては夢のようなパスです。
以前は居住者向けの30日券しかありませんでしたが、観光客のニーズに応える形で短期券(1日〜5日券)が登場しました。
このカードを利用する場合、チャージの支払いにクレジットカードが利用可能です。
短期券の種類と料金体系


らくたびKOREA(イメージ)
観光客向けには以下の5種類の短期券が用意されています。ご自身の滞在日数に合わせて選んでみてください。
| 券種 | 価格 | 損益分岐点 (元を取る目安) | おすすめの旅行スタイル |
| 1日券 | 5,000ウォン | 約4回乗車 | 朝から晩まで市内を観光する日 |
| 2日券 | 8,000ウォン | 1日あたり約3回 | 1泊2日の弾丸旅行 |
| 3日券 | 10,000ウォン | 1日あたり約2.3回 | 最も一般的な2泊3日の旅行 |
| 5日券 | 15,000ウォン | 1日あたり約2回 | ゆったり滞在やビジネス出張 |
| 7日券 | 20,000ウォン | 1日あたり約2回 | 1週間の中長期滞在やワーケーション |
地下鉄の基本運賃が1,400ウォン〜1,500ウォン程度であることを考えると、3日券などは1日2〜3回乗るだけで元が取れてしまいます。



カフェ巡りやショッピングでエリアを細かく移動する方には、間違いなく「気候同行カード」が最強の選択肢です。
購入とチャージの注意点:現金が必要な場面も
ここで一つ重要な注意点があります。それは「カード本体の購入」と「チャージ」で支払い方法が異なる場合があるということです。
- カード本体(物理カード):
価格は3,000ウォン。地下鉄駅の「顧客安全室(案内所)」やコンビニで購入しますが、ここは現金のみの場合が多いです。 - チャージ(利用権の購入):
駅の「新型券売機」を使えば、クレジットカードで支払いが可能です。
つまり、「カードを買うための3,000ウォン(約330円)」だけは現金で用意しておき、その後のチャージはクレジットカードで行う、という流れが基本になります。
公式情報による裏付け
ソウル市によると、気候同行カードは開始から短期間で爆発的な利用数を記録しており、観光客の利便性向上のための主要施策と位置付けられています。
(出典:ソウル市公式サイト『気候同行カード(Climate Card)紹介ページ』)
WOWPASSとNAMANEカードの活用術


らくたびKOREA(イメージ)
「現金両替の手間をなくしたい」「手持ちの現金を極力減らしたい」という方に圧倒的な人気を誇るのが、WOWPASSやNAMANEカードといった外国人専用のプリペイドカードです。
これらはクレジットカードチャージとの相性が良いですが、交通機能に関しては少し特殊な仕組みになっているため、誤解しやすいポイントでもあります。
WOWPASSの「二つの財布」に注意


らくたびKOREA(イメージ)
WOWPASSは、一枚のカードの中に「ショッピング用残高」と「交通用残高(T-money)」という二つの独立したお財布が入っています。
- ショッピング用残高:
オレンジ色の専用キオスクやアプリから、外貨やクレジットカードでチャージ可能。
コンビニやレストランでの支払いに使います。 - 交通用残高(T-money):
ショッピング残高とは完全に別物です。WOWPASSの専用キオスクでは、交通残高へのチャージはできません。
WOWPASSで地下鉄に乗るためには、地下鉄駅の券売機で、別途T-money部分に現金でチャージをする必要があります。
NAMANEカードなら「交通費」もクレジットカードでチャージ可能


らくたびKOREA(イメージ)
NAMANEカードには、WOWPASSやT-moneyにはないメリットがあります。
具体的には、以下の2つの方法で「完全キャッシュレス」な移動を実現できます。
- NAMANEキオスクを使う場合(直接チャージ)
駅や空港にある「NAMANEキオスク」を使えば、クレジットカードで「交通残高」に直接チャージが可能です。現金を両替する手間がなく、端末操作だけで完結します。 - アプリを使う場合(どこでもチャージ)
キオスクが近くにない場合でも、スマホアプリを使えばその場でチャージが可能です。- 手順:アプリにクレカで「Pay残高」をチャージし、その残高を「交通残高」へ移動(チャージ)させます。
この機能を使えば、手持ちのウォン現金がなくても電車やバスに乗ることができます。
「現金を用意して券売機に並ぶ」というストレスから解放されたい方や、推し活でオリジナルカードを作りたい方には、NAMANEカードが非常に便利です。


らくたびKOREA(イメージ)
乗り方と改札の通り方を基本から確認


らくたびKOREA(イメージ)
カードの準備ができたら、実際に改札を通ってみましょう。
ソウルの地下鉄は世界的に見ても清潔で分かりやすいですが、日本とは少し違うルールも存在します。
改札の通過方法
基本的には日本のSuicaなどと同じです。改札機の右側にある読み取り部にカードを「ピッ」と音がするまでしっかりとタッチします。
ゲートのバー(回転式またはフラップ式)が開いたら通過しましょう。
降りる時も同様にタッチして出ます。もし「Error」と表示されたり、バーが開かなかったりした場合は、もう一度ゆっくりタッチしてみてください。
それでもダメな場合は、改札横にある「Help」ボタンを押して駅員さんを呼び出すか、ワイドゲート(車椅子用など)のインターホンを利用します。
お得な「乗り換え割引」を適用させるコツ


らくたびKOREA(イメージ)
T-moneyカードやNAMANEカードの利用時に交通費を安く抑えるための最大のポイントが「統合乗り換え割引」です。
地下鉄からバス、バスからバスへと30分以内(夜間は1時間以内)に乗り換えると、通し運賃として計算され、追加料金が無料または少額で済みます。
この割引を受けるために絶対に守るべきルールがあります。それは、「バスを降りる時も必ずカードをタッチすること」です。
降りる時のタッチを忘れずに!
韓国のバスは、乗る時だけでなく降りる時もタッチが必要です。
これを忘れると、乗り換え割引が適用されないだけでなく、次回の乗車時にペナルティ料金(追加運賃)が引かれてしまうことがあります。
「乗る時ピッ、降りる時ピッ」を合言葉にしましょう。
路線図アプリは必須
ソウルの地下鉄網は網の目のように張り巡らされています。
駅構内の路線の色案内でも比較的簡単に乗り換えができますが、最近は「Subway Korea」という日本語対応の路線図アプリも非常に使いやすくておすすめです。
これがあれば、最短ルートや乗り換え位置、終電時間までリアルタイムで分かります。
ソウル地下鉄料金とクレジットカード利用の今後
ここまで、現状の「クレジットカードを使ったチャージ方法」を中心にお話ししてきましたが、ここからは少し視点を広げて、料金システムやバスでの利用、そしてiPhoneユーザーの事情など、知っておくと現場で慌てずに済む実践的な情報をお届けします。
また、気になる「いつになったら日本のようにタッチ決済で乗れるの?」という未来の話についても、最新のロードマップを基に解説します。
運賃と乗り換え割引の料金システム
ソウルの公共交通機関を利用する上で、絶対に知っておきたいのが運賃体系と「統合乗り換え割引制度」です。
これを知っているかどうかで、旅行中の交通費が大きく変わってきます。
日本の感覚で都度切符を買っていると損をしてしまいますので、しっかり押さえておきましょう。



「気候同行カード」は乗り放題なので、乗り換え割引という考え方は不要です。
地下鉄の基本運賃と距離加算
まず、基本となる運賃ですが、ソウルの地下鉄は日本(特に東京)に比べて非常にリーズナブルに設定されています。2025年時点での一般(大人)運賃の目安は以下の通りです。(参照:ソウル特別市庁ページ)
| 区分 | T-money(交通系カード)利用時 | 現金(1回用切符)利用時 |
| 基本運賃(10km以内) | 1,550ウォン | 1,650ウォン |
| 追加運賃(10km~50km) | 5kmごとに100ウォン加算 | 5kmごとに100ウォン加算 |
| 追加運賃(50km超) | 8kmごとに100ウォン加算 | 8kmごとに100ウォン加算 |
ご覧の通り、T-moneyカードを使って乗車するだけで、現金よりも100ウォン安くなります。
さらに、1回用切符にはデポジット(500ウォン)が必要で、降りるたびに払い戻し機で返金を受ける手間が発生します。



この点からも、やはり交通系カード利用が基本となりますね。
魔法の「統合乗り換え割引」システム
ソウルの交通システムの真骨頂は、この乗り換え割引にあります。
地下鉄とバス、またはバスとバス(異なる路線)を乗り継ぐ場合、移動距離を通算して計算してくれるため、乗り換えるたびに初乗り運賃を支払う必要がありません。
乗り換え割引の適用ルール(重要)
- 時間制限:
下車してから30分以内(21:00〜翌7:00は60分以内)に次の交通機関に乗ること。 - 回数制限:
最大4回まで乗り換え可能(計5回の乗車まで適用)。 - 必須条件:
T-moneyなどの交通カードを使用し、降りる際にも必ず改札機・カードリーダーにタッチすること。
例えば、「地下鉄で明洞まで行き(1,550ウォン)、そこでバスに乗り換えて南山タワーの近くまで行く(本来なら1,200ウォン)」という場合、乗り換え割引が適用されるとバス代は無料(または差額の数十〜数百ウォンのみ)になります。
このシステムのおかげで、ソウル市内を縦横無尽に移動しても、交通費は驚くほど安く済みます。
クレジットカードでこまめにチャージをしておき、残高不足でタッチできない(=割引が切れてしまう)という事態を防ぐことが、賢く旅するコツですね。



より詳しいバスの乗り方やルールについては、下記の記事で詳しく紹介していますので、バス移動も考えている方はぜひ参考にしてください。
クレジットカード対応券売機の設置駅


らくたびKOREA(イメージ)
記事の前半で「新型券売機ならクレジットカードでチャージできる機械もある」とお伝えしましたが、具体的にどの駅に行けばその機械があるのでしょうか?
広いソウル市内でチャージ難民にならないよう、設置状況についてもう少し詳しく掘り下げてみましょう。
ツーリストハブを中心とした展開
ソウル交通公社は、外国人観光客の利用が多いエリアを最優先に、新型券売機(マルチ決済キオスク)の設置を進めています。2025年の段階では、以下のような主要駅での稼働が確認されています。
新型券売機が見つかりやすい主要エリア
- 交通の要所:
ソウル駅(1号線/4号線/空港鉄道)、高速ターミナル駅、金浦空港駅 - ショッピング・観光:
明洞駅、弘大入口駅(2号線)、東大門歴史文化公園駅、安国駅(仁寺洞・北村エリア)、景福宮駅 - ビジネス・江南エリア:
江南駅、蚕室駅、三成駅(COEX)
これらの駅では、改札付近に設置されている券売機が大型のタッチパネル式に置き換わっている可能性が高いです。
一方で、住宅街にある小さな駅や、ソウル市外へ伸びる京畿道の路線などでは、まだ旧型の「現金のみ」の機械が現役で稼働していることも珍しくありません。
「気候同行カード」のチャージ機も狙い目
実は、先ほど紹介した「気候同行カード」をチャージするための機械と、T-moneyをチャージする新型機は、多くの場合同じ端末(または同等の機能を持つ端末)です。
駅構内に「Climate Card」のポスターや案内板があれば、その近くにある券売機はクレジットカード対応である可能性が非常に高いと言えます。
もしどうしてもクレジットカード対応機が見つからない場合は、駅の近くにあるコンビニ(GS25、CU、セブンイレブン、emart24)を探してください。
コンビニのレジでは基本的に現金チャージのみですが、店員さんによっては親切に対応してくれることもありますし、何よりATMでお金を下ろすことができます。
iPhoneを使った地下鉄乗車と注意点
日本にいると「モバイルSuica」や「Apple Pay」で改札を通るのが当たり前になっているため、韓国でも同じようにiPhoneをかざして通りたいと思うのは当然ですよね。
しかし、ここには「通信規格の壁」という少し厄介な問題が存在します。
なぜiPhoneでは乗れないのか?
根本的な原因は、NFC(近距離無線通信)の規格の違いにあります。
日本のSuicaは「FeliCa(フェリカ)」という規格、世界的なクレジットカードのタッチ決済は「NFC Type A/B」、そして韓国の交通系ICカードは独自の規格を採用しています。
Apple社と韓国の交通事業者の間での交渉や技術的な調整が難航しており、2025年現在も、iPhoneのApple WalletにT-moneyカードを取り込んで改札を通る機能は実装されていません。
iPhoneユーザーのための代替案
では、iPhoneユーザーはどうすればいいのでしょうか?現状のベストプラクティスは以下の3つです。
- 物理カードを使う(基本):
T-moneyカードやお気に入りのデザインのNAMANEカードを購入し、スマホケースのカードポケットに入れておく。
これが一番確実でトラブルがありません。 - T-moneyステッカーを利用する:
スマホの背面に貼り付けるタイプの小型T-moneyカードが販売されています。これを貼れば、見た目は「スマホでタッチ」に近い体験ができます。 - T-moneyアプリで残高確認だけ利用する:
最近のアップデートで、iPhoneのアプリでも「物理カードの残高確認」や「チャージ(クレジットカード利用)」ができるようになりました。
「乗る機能」はありませんが、改札を通る前に「残高足りるかな?」とスマホでチェックできるのは便利です。
T-moneyカードの払い戻し場所
「チャージしすぎて残高が余ってしまった」「もう韓国に来る予定がしばらくない」という場合、残ったお金をどうすればいいのか解説します。
基本的に、チャージした残高は払い戻しが可能です。
残高に応じた払い戻し場所
払い戻しの手続きは、カードの中に残っている金額によって場所が変わります。
| 残高 | 払い戻し場所 | 手数料(目安) |
| 20,000ウォン以下 | 主要コンビニ (GS25, CU, 7-Eleven等) | 500ウォン |
| 20,000ウォン~50,000ウォン | 地下鉄駅のサービスセンター (駅務室) | 500ウォン |
| 50,000ウォン以上 | T-money Town (ソウル駅近くの本社)など | 1%程度~ |
旅行者の場合、ほとんどが「20,000ウォン以下」のケースだと思いますので、帰国前に空港のコンビニなどで「Refund, please(リファンド、プリーズ)」と伝えれば、手数料を引いた現金をその場で返してくれます。
注意:カード代金は戻ってこない
ここで一つ注意が必要です。払い戻されるのはあくまで「チャージした残高」のみであり、最初に購入したカード本体代金は返金されません。
T-moneyカードには有効期限がないので、もし数年以内にまた韓国に来る可能性があるなら、払い戻さずにそのまま持っておくのがおすすめです。



次回の旅行で、空港に着いた瞬間からすぐに地下鉄やバスに乗れるのは大きなメリットですよ。
2025年以降のオープンループ化計画
最後に、ソウルの交通決済が今後どのように変わっていくのか、未来の展望についてお話しします。
世界的なトレンドである「オープンループ(クレジットカードのタッチ決済)」への移行は、ソウル市にとっても重要なミッションとなっています。
段階的な導入ロードマップ



ソウル市や交通当局の発表によると、以下のようなスケジュールで環境整備が進められる予定です。
- フェーズ1(〜2025年後半):バスへの先行導入
バスの決済端末は比較的交換コストが低いため、地下鉄よりも先にクレジットカード(Visa/Mastercard等のコンタクトレス)対応が始まる見込みです。
まずは一部の路線からテスト運用が開始されるでしょう。 - フェーズ2(2027年以降):地下鉄改札の刷新
地下鉄の改札機は数が膨大で、かつ高額な機器であるため、更新には時間がかかります。
2027年頃から徐々に、クレジットカードを直接タッチできる新型ゲートへの入れ替えが本格化すると予想されています。 - フェーズ3(2030年目標):完全統合
2030年までには、首都圏のあらゆる交通機関で、T-moneyとクレジットカードのどちらでもシームレスに乗車できる環境の完成を目指しています。
技術的な課題とは?
導入が慎重に進められている背景には、「処理速度」の問題があります。
現在のT-moneyは0.2秒以内で認証が終わりますが、クレジットカード決済はサーバー通信を伴うため、わずかに時間がかかります。
朝夕の通勤ラッシュが激しいソウルにおいて、この遅延が混雑を招かないよう、技術的な検証が入念に行われているのです。(出典:ソウル市公式ホームページ)
ソウルの地下鉄とクレジットカード利用のまとめ


らくたびKOREA(イメージ)
今回は、2025年時点でのソウル地下鉄におけるクレジットカード利用の現状と、具体的な活用方法について深掘り解説してきました。



最後に重要なポイントを振り返りましょう。
この記事の要点まとめ
- 改札直タッチはまだ不可:
海外クレカでそのまま乗車はできません。T-money等のカード必須です。 - チャージはクレカOKに進化:
主要駅の「新型券売機(一部)」や「NAMANEキオスク」を使えば、気候同行カード、NAMANEカードはクレジットカードでチャージ可能です。 - 便利なカードを活用:
移動が多いなら「気候同行カード」、買い物メインなら「WOWPASS」、完全キャッシュレス派なら「NAMANE」を選びましょう。 - アプリで賢く管理:
iPhoneユーザーは残高確認用にアプリを入れつつ、物理カードを持ち歩くのが正解です。
ソウルの交通インフラは、「現金の壁」を取り払うために急速に進化しています。
以前のように両替所で大量の小銭を用意する必要はもうありません。ご自身の旅行スタイルに合ったカードとチャージ方法を選んで、スマートで快適なソウル旅を楽しんでくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。









